「RIDE ON TIME」の音楽的魅力として真っ先に挙げられるのが、冒頭のアカペラから雪崩れ込むダイナミックなイントロです。伴奏なしで放たれる「青い水平線をいま〜」というボーカルフレーズは、リスナーの耳を一瞬で奪い去るフックとして設計されています。
音楽理論の観点から分析すると、本作のコード進行は米国のソウルミュージックやR&Bの洗練されたボイシングを取り入れつつ、親しみやすいポップスのメロディラインを同居させています。キーはAメジャー(一部転調)を基調としながら、メジャーセブンスコード(Maj7)を巧みに配置することで、西海岸の乾いた風や都会的なリゾート感を演出しています。
特筆すべきは、伊藤広規のスラップを交えた跳ねるようなベースラインと、青山純の正確無比な16ビートのスネアワークです。打ち込み音楽が主流となった現代の耳で聴いても一切の古さを感じさせない理由は、人間が奏でる絶妙なタイム感とダイナミクスが楽曲全体に有機的な生命力を与えているからです。