料理研究家の栗原はるみ氏をはじめとする一流の料理人が口を揃えるのが、「加熱後の温度管理」の重要性です。小松菜を加熱した後、余熱で火が通り過ぎるとクロロフィル(葉緑素)が熱分解を起こし、くすんだ茶褐色に変色してしまいます。加熱直後に冷水または氷水へ一気に落として熱を取る「色止め」を行うことが、料亭のような翡翠色を保つ最大のコツです。
また、小松菜特有のわずかなえぐみや苦味は、アブラナ科特有のイソチオシアネートや根元に付着した微細な土汚れに起因します。調理前の下処理として、ボウルに水を張り、根元を水中で揺らしながら洗う「ふり洗い」を徹底することで、土臭さと雑味が劇的に解消されます。
お弁当に入れる際の水気対策としては、以下の3ステップが効果的です:
1. だし洗い(醤油洗い)の応用:軽く絞った小松菜に白だし小さじ1を回しかけ、全体に馴染ませてからもう一度軽く絞ります。これにより余分な水分が排出され、味の輪郭がはっきりします。
2. かつお節やすりごまの敷き込み:お弁当カップの底にかつお節かすりごまを敷き、その上におひたしを乗せることで、移動中のドリップを完全に受け止めます。
3. 絞りすぎない「8割絞り」:親の仇のように強く絞りすぎると、細胞壁が破壊されて小松菜の甘いジュースまで流れ出てしまいます。おにぎりを優しく握る程度の力加減で水分を切るのがプロの作法です。