防水パンの取り外し現場で最も多くの人が直面するトラブルが、固定ネジの固着です。水や洗剤の飛沫、湿気によってネジ穴が錆び付いていたり、過去の施工時に強く締め込まれすぎている場合、無理に力を入れると一瞬でプラス穴が削れて「ネジ頭のなめ(潰れ)」が発生します。防水パンネジ固い外し方には、段階に応じたアプローチが存在します。
初期段階でびくともしない場合は、市販のネジ滑り止め剤(摩擦増強液)をネジ穴に一滴垂らすか、幅の広い輪ゴムをドライバーの先端とネジ穴の間に挟んで押し込みます。これによって摩擦力が高まり、ドライバーが空回りするのを防げます。押す力8割、回す力2割の比率を意識して、体重をかけながらゆっくりと左へ回します。
サビによる固着が疑われる場合は、金属用浸透潤滑スプレーをネジの根元に少量吹き付け、10分から15分ほど放置して浸透を待ちます。ネジ頭をプラスドライバーの柄や小さなハンマーで軽くコンコンと叩き、サビの結合に微細な振動を与えてから回すと、驚くほどあっさり緩むケースが多々あります。
すでにネジ頭が潰れてしまった重度の場合には、ネジ頭を横からガッチリ掴んで回せる専用工具(ネジザウルスなど)を使用するか、インパクトドライバー用のネジ救出ビット(エキストラクター)を用います。力任せの強引な作業は防水パンの破損や床板の割れを招くため、適切な工具を用いて段階的に対処するのが現場の鉄則です。