長年の駅伝ファンほど陥りやすいのが、「駒澤大学=大八木総監督の厳しい叱咤激励(檄)で走るチーム」という固定観念です。しかし、現在のチーム運営はそうしたステレオタイプから完全に脱却しています。
多くの人が見落としている最大の盲点は、「自律的な戦術決定権が選手個人に委ねられている点」です。藤田敦史監督はレース前、選手に対して複数のレース展開パターン(単独走になった場合、他校と並走になった場合、ペースが極端に落ちた場合など)を提示し、最終的なペース判断を選手の裁量に任せています。
かつての「指示通りに押し切る走り」から「自ら状況を判断して修正する走り」へとシフトしたことで、卒業後に実業団やマラソンへ転向した際の適応スピードが格段に早くなりました。「怒声で選手を動かしている」というネット上の古いイメージは完全に過去のものであり、現在の合宿所(道場)ではバイオメカニクスに基づいた動作解析や、選手同士が走行データを議論し合う姿が日常となっています。