80年代のシーンを語る上で外せないのが、現代のストリートウェアの原型を作った伝説的なオールドスケートブランドの存在です。彼らが残したグラフィックやプロダクトは、現在もカルチャーのマスターピースとして崇められています。
まず筆頭に挙げられるのが、1973年創業のサンタクルーズです。伝説的アーティストであるジム・フィリップスが1985年に生み出した「スクリーミング・ハンド(青い手に叫ぶ口が描かれたアイコン)」は、スケートアートをポップカルチャーの領域へ押し上げた不滅の最高傑作です。毒々しくもキャッチーなデザインは、40年が経過した現在も色褪せることなくストリートで異彩を放ちます。
続いて、ステイシー・ペラルタとジョージ・パウエルによって設立されたパウエルペラルタ。トニー・ホーク、スティーブ・キャバレロ、マイク・マクギルといった伝説的ライダーを擁したチーム「ボーンズ・ブリゲード」は、世界中のユースを熱狂させました。アーティストのヴァーノン・コートランド・ジョンソン(VCJ)が手掛けた「リッパー(覗き見るスカル)」や「トミー・ゲレロのダガー」などのグラフィックは、80年代古着ストリート市場で今なお数十万円の高値で取引されるコレクターズアイテムです。
メディアとカルチャーの結節点として機能したのが、1981年にサンフランシスコで創刊された雑誌から派生したTHRASHERです。「Skate and Destroy」の精神を掲げた象徴的なマグロゴを配したスラッシャーTシャツは、ハードコアなスケーターのユニフォームとして定着し、ロックやヒップホップの枠をも超えて世界中に拡散しました。
足元を支えたフットウェアでは、1977年に誕生した「Style 36」ことVANSオールドスクールが不動の地位を築きます。特徴的なサイドの「ジャズストライプ」と頑丈なワッフルソールは、過酷なトリックに挑むスケーターの足元を保護する実用具であり、西海岸スタイルの象徴そのものでした。