「国産牛」と「和牛」の最大の違いは、「どこで育ったか(場所)」を表す区分か、「どのような血統か(品種)」を表す区分かという点にあります。
消費者庁および農林水産省が定める『食品表示基準』において、「国産牛」とは品種や生まれ故郷を問わず、日本国内での肥育期間(飼育された期間)が最も長い牛の総称です。極端な例を挙げれば、オーストラリアやアメリカで生まれた生体牛を生後すぐに日本へ輸入し、日本国内で最も長い期間肥育してから出荷した場合、その牛肉は法的に「国産牛」として販売されます。
これに対し、「和牛(Wagyu)」は日本の在来種をベースに品種改良を重ねて完成された特定の4品種、およびその4品種同士の交配による交雑種だけに名乗ることが許された特別な品種名です。海外から輸入した牛をどれほど日本の名水や高級飼料で長期肥育しても、血統が和牛でなければ絶対に「和牛」と名乗ることはできません。
国内で流通する国産牛の内訳を見ると、純粋な和牛だけでなく、牛乳を搾る役目を終えた乳用種(ホルスタイン種など)の雌牛や、乳用種のお肉用雄牛、さらには和牛と乳用種を掛け合わせた「交雑種(F1)」などが多くを占めています。「国産牛という大きな括りの中に、最高峰の血統グループとして和牛が存在している」と理解するのが正確です。