幼児の失踪ニュースが報じられるたび、SNSやネット掲示板では「親は何をしていたのか」「ほんの数分目を離すこと自体があり得ない」といった保護者に対する激しいバッシングが巻き起こる傾向があります。しかし、実際の育児現場と危機管理工学の観点から見れば、これは人間の認知限界を無視した短絡的な誤解と言わざるを得ません。
日本小児科学会などの報告によると、保護者が24時間365日、1秒の途切れもなく子どもを視野の中心に捉え続けることは生物学的に不可能です。財布から現金を出す、車の鍵を開ける、荷物をトランクに乗せる、下の子の泣き声に振り返るといった日常のわずか2〜3秒の認知的空白で、2歳児は親の視野外へ消え去ります。
また、ネット上では「ボランティアの単独行動」を称賛する声がある一方、現場では二次遭難のリスクや足跡・遺留品を乱してしまう危険性が指摘されています。警察や行政の指揮下にない無秩序な捜索は、かえって2歳児行方不明現場の鑑識活動を阻害するリスクを孕んでおり、善意の活動であっても統制された協力体制が厳格に求められます。