ネット上で頻繁に議論される疑問の一つに、「西瓜(スイカ)と南瓜(カボチャ)があるなら、東瓜や北瓜も存在するのか?」というテーマがあります。結論から言うと、「東瓜(とうがん)」と「北瓜(ほくか/ペポカボチャ等)」は実在します。ただし、「東瓜」は一般的に「冬瓜(とうがん)」と書かれることが多く、方角による命名には明確な地理的・歴史的背景が存在します。
中国大陸を中心として見た場合、以下のような方角の法則性によって名付けられました。
- 西瓜(スイカ):中国の西側(西域・シルクロード方面)から砂漠を越えてもたらされたウリ。
- 南瓜(カボチャ):中国の南蛮諸国(南方海上ルート、カンボジア方面)から船で運ばれたウリ。
- 東瓜(トウガン):中国東部や長江流域で古くから自生・栽培されていたウリ(後に冬まで保存が効くことから「冬瓜」の表記が一般化)。
- 北瓜(ホッカ):中国北部で栽培された一部のカボチャやヘチマの別称として文献に登場。
「カボチャ」という日本語の呼び名自体はポルトガル人が「カンボジアの瓜」として伝えた発音に由来しますが、漢字表記には中国南部を経由した交易の足跡を示す「南瓜」が採用されました。このように、漢字と読み方で全く異なる渡来経路が二重に記録されている点こそ、日本の食文化受容の最大の特徴です。