「失敗のリスクを承知の上で、どうしても低予算で試したい」「着なくなった古着をダメ元でリメイクしたい」という方のために、ジャケットの肩パッドを自分で取る方法をステップバイステップで解説します。表地を決して傷つけず、いつでも元に戻せる状態を保つのが最大の鉄則です。
【必要な道具】
- リッパー(または先の細い手芸用ハサミ)
- 縫い針と裏地と同色のポリエステル手縫い糸(50〜60番)
- まち針
- あて布とスチームアイロン
【テーラードジャケット肩パッドの外し方:実践手順】
ステップ1:アプローチ箇所の選定(絶対に肩口を裂かない)
ジャケットを裏返し、肩の縫い目を直接切ってはいけません。正解は「袖の裏地にある返し口」を探すことです。既製服の多くは、袖裏の縫い代の一部がミシンのステッチではなく手縫い(まつり縫い)で閉じられています。見当たらない場合は、袖裏の縫い目をリッパーで10cmほど慎重にほどきます。
ステップ2:肩内部の構造を確認する
ほどいた穴から手を入れて肩部分を裏返し、内部を露出させます。ここには通常、「肩パッド」だけでなく、袖山をふんわり立ち上げるための「裄綿(ゆきわた)」や「接着芯・毛芯」が重ねられています。ここで裄綿までむしり取ってしまうと袖山が完全に潰れるため、肩パッドのみを識別してください。
ステップ3:留め糸のみをカットする
肩パッドは通常、肩線の縫い代とアームホールの縫い代の2〜3箇所に糸でゆるく留められているだけです。この「留め糸」だけをリッパーの刃先で慎重に切断します。表地の織り糸を一本でも引っ掛けると穴あきの原因になるため、手元を明るく照らして作業してください。
ステップ4:パッドの引き抜きとフィッティング確認
パッドをゆっくり引き抜いたら、袖裏の穴を仮留めした状態で一度試着します。肩先が極端にへこんでいないか、余った生地がみっともなくたるんでいないかを鏡で全方位からチェックします。
ステップ5:コの字まつりで裏地を閉じる
シルエットに納得がいったら、ほどいた袖裏の布端を内側に折り込み、針を通した糸で「コの字まつり縫い(ラダーステッチ)」をして縫い目を閉じます。表から糸が見えないように細かく縫い進め、玉留めを生地の隙間に引き込んで隠せば完了です。