インターネット上やSNSでは時折、「ドクターヘリを呼ぶと数十万〜数百万円の巨額請求が来るのではないか」という根強い不安や誤解が見受けられます。しかし、公式発表資料および厚生労働省の運航指針に基づくと、ヘリコプター自体のチャーター費用・運航経費・燃料代はすべて公費(国と北海道の負担)で賄われています。
したがって、搬送された患者やその家族に対して「ヘリの飛行料金」が請求されることは一切ありません。患者側が負担するのは、あくまで「現場や機内で行われた通常の医療行為に対する保険診療費」のみです。
具体的に発生する費用の内訳は以下の通りです。
・往診料・救急搬送診療料:医師が現場に出動し、機内で初期治療・モニタリングを行ったことに対する保険診療報酬。
・処置・投薬・検査料:現場や機内で行われた気道確保、人工呼吸、点滴、薬剤投与、超音波検査などの実費。
・自己負担額の目安:各種健康保険(1割〜3割負担)が適用されるため、現場での処置内容にもよりますが、一般的な自己負担額は数千円から1万5,000円前後に収まるケースがほとんどです。もちろん、高額療養費制度や小児医療費助成の対象にもなります。
民間企業が運営するプライベート医療搬送サービス(患者等搬送事業者)では数十万円の実費が発生することがありますが、消防経由で出動する公的ドクターヘリは救急車と同様に搬送自体は無料であるという事実は、正しく知っておくべき重要事項です。