3連単に挑むにあたり、避けて通れないのが「数学的な的中率の低さ」です。出走頭数ごとの組み合わせ総数と、ランダムに1点を購入した際の3連単当たる確率を整理すると、その過酷な現実が浮き彫りになります。
フルゲートと呼ばれる18頭立てのレースにおける組み合わせ数は、順列計算(18×17×16)により4,896通りにのぼります。このうちの1点を的中させる確率は0.0204%、分数にして約5,000分の1です。16頭立てであっても3,360通り(確率0.0298%)、少頭数とされる12頭立てでも1,320通り(確率0.0758%)が存在します。ジャンボ宝くじほどではないにせよ、あてずっぽうに買って当たる確率ではないことは火を見るより明らかです。
この天文学的な難易度と引き換えに存在するのが、爆発的な配当金です。JRAにおける競馬3連単最高配当は、2012年8月4日の新潟競馬第5レースで記録された2,983万2,950円(最低人気の伏兵が激走した大波乱)。地方競馬でも大井競馬場で2,000万円を超える超高額配当が記録された事例があります。
しかし、メディアで頻繁に語られる「3連単平均配当は約12万〜15万円」という数値を鵜呑みにするのは危険です。統計データ分析を行う現場のトラックマンや専門記者が口を揃えるのは、「平均値の罠に騙されてはいけない」という警告です。
年間数千レースの中で発生する「数百万円〜数千万円クラスの異常値」が平均値を大幅に押し上げているだけであり、実際のレース結果を並べて中央に位置する数値である「中央値」は約2万5,000円〜3万円前後に落ち着きます。つまり、半数以上のレースでは3万円以下の配当で決着しているのが冷徹な実態なのです。