日本有数の名水として知られる柿田川湧水群。その目と鼻の先に位置するという地理的条件は、かつては単なる「周辺環境の一つ」に過ぎなかった。しかし今、館内の回廊やテラス部分には自然光と風を巧みに取り込む設計が施され、隣接する緑地公園との境界線がゆるやかに溶け合っている。
「買い物をしなくても、ここに来れば気分が落ち着く」——館内のオープンカフェでコーヒーを手にしていた沼津市在住の30代女性はそう話す。商業空間でありながら、公園の延長線上にあるサードプレイスとして消費者に受け入れられている実態がうかがえる。