片町といえば、言わずと知れた北陸最大の繁華街だ。料亭や居酒屋、バーがひしめくこのエリアで、近年目立っているのが「夜の食体験」の質の変化である。かつては三次会や四次会の定番といえばラーメンか金沢カレーと相場が決まっていたが、いまやその主役に踊り出たのが寿司だ。
背景には、近年の食文化における「体験価値」へのシフトがある。限られた滞在期間の中で、一回でも多くの絶品料理を味わいたい観光客の切実な願望と、地元客の舌の肥え方が合致した。深夜まで営業し、板前がその場で握る本格的な寿司をサクッと食べられるスタイルが、片町の夜の動線を劇的に変えてしまったのだ。