平安女学院のアイデンティティを語る上で欠かせないのが、1875年に英国聖公会の宣教師エディ・ミスによって設立された「照暗女学校」に始まる平安女学院の歴史です。同志社大学や京都大学などと並び、京都の近代化と女子高等教育の黎明期を牽引してきた屈指の歴史的ルーツを持ちます。
服飾文化史における最大のトピックとして知られるのが、日本で初めてセーラー服を制定した学校という歴史的事実です。1920年(大正9年)、動きやすさと機能美を追求した洋装体操服としてセーラー服が導入され、これが全国の女学校へと広まる契機となりました。現在も中高の制服として受け継がれているその意匠は、自立した女性のシンボルとして長く親しまれています。
大学の京都キャンパス内には、国登録有形文化財である「明治館」や「昭和館」、荘厳な「アグネス・チャペル」が佇み、毎日の学生生活そのものが本物の歴史空間と共生しています。キリスト教精神に基づく隣人愛とリベラルアーツの精神は、単なる知識の詰め込みではない全人教育の土台となっています。