インターネット上の掲示板や受験系コミュニティで定期的に話題へ上るのが、「京大医学部に高校を中退・スキップして17歳で飛び級入学した天才児がいる」という言説です。このセンセーショナルな噂の真相を追うと、制度上の事実と受験界の都市伝説が交錯している構図が浮かび上がってきます。
まず事実関係を整理すると、京都大学が2016年度入試からスタートさせた「特色入試」において、理学部や医学部などの一部学科で「高校2年修了(見込み)者」を対象とした飛び入学枠が出願資格として規定されていました。制度の扉自体は確かに開かれていたわけです。
しかし、「17歳で京大医学部に飛び級合格した実在の人物」として語られるエピソードの多くは、理学部や工学部における飛び級合格者の実績や、国際生物学オリンピック・国際化学オリンピックなどで世界的なメダルを獲得した現役高校生(3年生)の華々しい合格劇が、年数を経るうちに脚色され、医学部の伝説として一人歩きしてしまったケースがほとんどです。
飛び入学枠の基準は「該当者なし」が珍しくないほど厳格であり、安易な合格を許さない京大側の明確なスクリーニングが存在します。怪物の如き天才児の存在は、制度の持つ規格外のインパクトが生み出した半ばフィクションでありながら、制度的には起こり得たリアルなロマンでもあったのです。