ホール設計において最も重要な要素の一つが、客席からの視界と音響特性の調和だ。多摩市民館の大ホールは傾斜がしっかりと確保されており、前列の観客の頭部が視界を遮りにくい構造になっている。特に中央ブロックの8列目から14列目付近は、舞台全体を見渡せる視界の広さと、豊かな響きを同時に享受できるプレミアムなポジショニングとして知られる。
音響バランスにこだわるクラシック音楽のファンであれば、中通路直後の列や2階席前方の中央寄りを選ぶのが定石だ。各楽器の直接音とホール残響が絶妙にブレンドされ、オーケストラ定期演奏会などのダイナミクスを余すところなく堪能できる。見やすさと音響のどちらを重視するかによって座席選びの最適解が変わる点も、このホールの奥深い魅力といえる。