2000年代後半のJ-POPシーンにおいて、彼女の存在感は圧巻だった。鮮烈なデビューを飾った『I believe』に続き、切ないメロディが心に染み入る『三日月』はチャートを席巻し、主要な音楽賞を次々と獲得。しかし、その華やかな表舞台の裏側で、病状は刻一刻と進行していたのである。
治療に専念するため、2009年末のNHK紅白歌合戦のステージをもって無期限の活動休止に入った。キャリアの絶頂期でマイクを置く決断は、彼女自身の生命を守るための切実な選択だった。メディアの前から姿を消し、静かな環境で自らの身体と向き合う長い日々がここから始まった。