初期の代表作である『デザイナー』や『砂の城』で見せた哀切漂う世界観は、彼女の真骨頂とも言える。複雑に絡み合う情愛と、欲望の果てに訪れる破滅。いわゆる「泥沼愛憎劇」と評される展開でありながら、安易なメロドラマに陥らないのは、登場人物たちの心理が冷徹なまでの観察眼で掘り下げられているからだ。
愛するがゆえに傷つけ合い、自らのプライドを守るために修羅の道を選ぶ登場人物たち。少女漫画の枠組みを大きく拡張したそのリアリティは、読者に強い感情移入を促し、一度読み始めると途中で止めることができない中毒性を生み出している。