クライミングや高所作業における事故の多くは、道具の破損ではなく誤った使用方法や選び方のミスから生じる。こうした人的リスクを未然に防ぐため、国際的な基準が厳格に定められている。世界的な安全基準として機能しているのがEN 12275規格(登山用カラビナの欧州規格)であり、これに合致した製品には国際山岳連盟(UIAA)の認証マークが刻印される。
なかでもビレイ(ロープ確保)や支点構築といった重要な局面では、ゲートが不意に開かないロッキング機構を備えた安全環付きカラビナの使用が絶対条件だ。ネジ込み式のスクリューロックや、自動でロックがかかるツイストロックなど構造は様々だが、いずれも横方向への荷重(クロスローディング)やゲートへの摩擦干渉を防ぐ設計がなされている。横荷重がかかると強度は3分の1程度に急降下するため、常に正しい向きでテンションがかかるよう配慮しなければならない。