宇宙開発はもはや科学探査やビジネスのためだけのものではない。安全保障の観点からも、自国で確実にロケットを打ち上げられる能力(自立的宇宙輸送能力)の保持は国家の命運を左右する。
日本周辺の地政学的緊張が高まる中、防災や防衛に不可欠な情報収集衛星、そしてGPSの精度を格段に高める準天頂衛星「みちびき」の測位ネットワーク構築において、予定通りのスケジュールで確実に衛星を軌道上に送る確約が求められる。海外のロケットに依存していては、相手国の政治情勢や事業者の都合で自国の安全保障計画が停滞するリスクを排除できない。自前の射場と打ち上げ手段を安定して保持し続けることは、日本という国家の外交・防衛上の重要なカードなのだ。