2019年の初回放送から年月が経過した今もなお、『わたし、定時で帰ります。』が配信市場で根強い人気を誇る背景には、徹底的にリアリティを追求した脚本とキャスト陣の演技力があります。
吉高由里子が演じる主人公・東山結衣は、過去のトラウマから「仕事命」の生き方を捨て、効率的に業務を終わらせて定時に退社し、行きつけの中華料理店でビールと小籠包を楽しむ日常を愛する女性です。決して仕事を軽視しているわけではなく、業務時間内に圧倒的な集中力で結果を出すプロフェッショナルな姿勢は、多くのビジネスパーソンから「理想の働き方」として強い支持を集めました。
対照的に、向井理が演じる種田晃太郎は、圧倒的な実力とリーダーシップを持ちながらも仕事に没頭しすぎて私生活を犠牲にしてしまう典型的なワーカホリック。現場スタッフや視聴者コミュニティの反響を検証すると、「不器用だが部下想いの種田さんに惚れ直した」「結衣と種田のオフィスでの距離感、会話の間がリアルすぎて胸が苦しくなる」といった声が多数を占めています。
さらに、産休復帰後の焦りを抱えるワーキングマザー役の内田有紀、悪気なくブラックな価値観を押し付けるモンスター上司役のユースケ・サンタマリア、新人教育に苦悩する同僚役の柄本時生やシシド・カフカなど、WEB制作会社「ネットヒーローズ」を取り巻くキャスト陣の演技は、日本の職場が抱える構造的ひずみを克明に描き出しています。