インターネット上のコミュニティや知恵袋などでは、ヒトデの生態に関してしばしば誤った情報が見受けられる。ここで代表的な2つの誤解を正しておきたい。
誤解①:「水族館でカチカチなのは、すでに死にかけて干からびているから?」
【真相】:全くの逆で、生きて外敵(人間)に警戒している証拠である。
ヒトデは死ぬと細胞の浸透圧調整や神経制御が失われ、キャッチ結合組織の結合が破綻する。完全に死亡したヒトデは硬くなるのではなく、むしろ組織が自己融解を起こしてドロドロに崩れたり、骨片がバラバラになって崩壊したりする。触って硬いと感じるのは、個体が健康でしっかりと神経伝達を行っている証拠だ。
誤解②:「ヒトデには脳や心臓がある?」
【真相】:ヒトデには集中した「脳」も「心臓」も存在しない。
ヒトデの神経系は散在神経系と呼ばれ、中央の神経環から5本の腕に向かって放射状に神経が伸びているだけだ。司令塔となる脳が存在しないにもかかわらず、各腕が協調して外部刺激に反応し、局所的かつ全身的に組織を瞬時に硬化させることができる。この自律分散型の制御システムは、現代のロボット工学においても理想的なモデルケースとされている。