アイブラックの起源は古く、1930年代のアメリカンフットボール選手が煤(すす)や靴墨を目の下に塗って太陽光を防いだことが始まりとされています。その後、1940年代からMLB(メジャーリーグ)の屋外球場でも急速に普及していきました。
現代のプロ野球において、アイブラックは単なる光学的な眩しさ防止ツールにとどまらず、選手の精神状態をトップギアへと引き上げる「メンタルスイッチ」としての役割も担っています。
スポーツ心理学の観点では、戦闘前に顔にペイントを施す「ウォーペイント(War Paint)」と同様の心理効果が指摘されています。鏡を見ながら目の下に力強い黒いラインを引く行為そのものが、日常から戦いの場へと意識を切り替えるルーティンとして機能します。また、目の下が黒く強調されることで表情が引き締まり、対戦相手の打者や走者に対して威圧感を与える副次的な効果もプロの間で実感されています。