「鬼太郎は人間の味方」というイメージが定着している一方で、ファンの間では「鬼太郎は実は人間嫌いで、平気で見捨てる回がある」という事実もしばしば話題にのぼります。この噂は紛れもない事実です。
水木しげる先生が描いた初期の貸本版『墓場鬼太郎』における彼は、自らの生存や利益を最優先する打算的な少年であり、恩人であるはずの水木青年を地獄へ突き落とす描写すら存在しました。テレビアニメ化以降はマイルドなヒーロー像へとシフトしたものの、根底にある「人間の傲慢さに対する嫌悪感」は消えていません。
特に以下のようなケースでは、鬼太郎は救いの手を引くか、妖怪による報復を黙認します。
・自然破壊や金儲けのために妖怪の棲み家を荒らした人間
・妖怪を利用して私利私欲を満たそうとした悪徳な人間
・鬼太郎との「決して破ってはならない約束」を破った人間
理不尽に襲われる無辜の人間は救うものの、自業自得で妖怪の怒りを買った人間に対しては、冷徹な一瞥を投げかけて立ち去る――。鬼太郎の正義は、決して「無条件な人間の全肯定」ではないのです。