冨岡義勇を語る上で欠かせないのが、物語第1話で炭治郎へ放った「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」という名言です。妹を助けてくれと雪上で泣き叫び、地面に額を擦りつけて懇願する炭治郎に対し、義勇はあえて厳しい言葉を浴びせました。
弱者を無情に切り捨てるかのような言葉ですが、その真意は過酷な現実に対する警鐘であり、炭治郎に向けた強い叱咤激励でした。泣いて許しを請うだけでは何も守れないことを痛感しているからこそ、炭治郎を立ち上がらせるために心を鬼にして怒りを引き出そうとしたのです。冷酷に見える言動の裏側にある深い慈愛と覚悟が明かされた瞬間、読者は彼の精神的な高潔さに心を打たれました。