ドラえもんの都市伝説の中で、最も不気味な怪談として語り継がれているのが、幻の放送回とされる「タレント」と「行かなきゃ」です。
「タレント」は1984年7月20日(または1983年頃)に放送されたとされるエピソード。オープニングの後、音声が一切ない状態で歪んだ作画のドラえもんやのび太が登場し、地球儀のような物体を通り抜けながら「タレント」という謎の文字が表示されて終わるという不気味な内容がネット上で拡散されました。
しかし、当時のテレビ朝日系列の番組表や制作会社・シンエイ動画の放送原版フィルムを照合した結果、「タレント」というサブタイトルの回は一切存在しません。実際には、1984年7月20日に放送された『ドラえもんのいっしょに歌おう』という特番コーナーや、通常の短編アニメ『くせなおしガス』の映像ノイズ、ビデオデッキの録画不良などの記憶が混ざり合い、ネット掲示板で誇張されたというのが真相です。
一方の「行かなきゃ」は、原作者である藤子・F・不二雄先生が逝去された1996年9月23日の深夜(または直後の放送)に流れたとされる怪現象です。「画面が砂嵐になり、のび太の後ろ姿とともに『行かなきゃ』というつぶやきが流れた」と語られ、作者の死と結びつけた不気味な放送事故として恐れられました。
こちらも当時の放送ログを確認すると完全なデマであることが分かっています。訃報当夜に急遽差し替えられた追悼特番や追悼テロップ、さらには映画の予告編などの映像断片が視聴者の間でセンセーショナルに語り直され、都市伝説へと変貌を遂げた経緯があります。