人類救済という崇高な大義を掲げて神々に反旗を翻したワルキューレ長姉・ブリュンヒルデ。しかし物語が進むにつれ、彼女が抱える神殺しの真の目的が徐々に露わになってきました。
その核心にあるのが、北欧神話の大英雄であり、冥界最深部「タルタロス」に幽閉されている恋人・ジークフリートの解放です。ジークフリートは神と人間双方の血を引く規格外の存在であり、何らかの理由で最高神たちによって封印されています。
ブリュンヒルデは人類を守りたいという想いと同時に、神々の支配秩序そのものをラグナロクの混乱に乗じて瓦解させ、ジークフリートを救い出すという悲壮な個人的覚悟を胸に秘めています。妹のワルキューレたちを神器として犠牲に捧げるたびに人知れず苦悩し、自らも地獄へ堕ちることを辞さない彼女の狂気と覚悟は、作品屈指のドラマを生み出しています。