『旧劇場版』で見せたドロドロとした自己嫌悪の極致は、後に制作された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズにおけるシンジの成長劇と鮮やかな対比をなしている。旧作で「逃げてはダメだ」と叫びながら閉じこもっていた少年は、新作において自らの足で立ち上がり、過去の過ちと向き合う強さを獲得していく。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で描かれた決着は、「最低だ俺って」と吐露したあの日のシンジに対する、四半世紀越しの救済でもあった。自らの弱さを認め、他者を受け入れるプロセスを経たからこそ、エヴァンゲリオンという物語は美しく幕を閉じることができたのだ。