労働現場の第一線で助言を行う専門家の視点はどうだろうか。企業内で健康管理を担う産業医は、「無症状であっても家族に発症者がいる場合は、出社時の不織布マスク着用徹底や時差出勤、可能であれば数日間のテレワーク移行が最も現実的かつ安全なリスク管理だ」と指摘する。症状が出始める直前が最も感染力が高いケースもあるからだ。
一方、労務管理のプロである社会保険労務士は、就業規則における出勤停止規定の明確化を強調する。「企業側が感染防止のために家族発症時の自宅待機ルールを作る場合は、その期間中の手当(休業手当相当額の支給など)をどのように扱うか規定に明記しておく必要がある。ルールの曖昧さが労働者との不必要な対立を生む」と警鐘を鳴らす。