時計の針を1990年代末へと巻き戻してみよう。当時、社会現象を巻き起こしていたポケモンカードゲームのプロモーションにおいて、ひときわ異彩を放っていたのが音楽ユニット「スズキサン」だった。小林幸子、謎の全身タイツ男・イマクニ、そしてレイモンド・ジョンソンの3名によって結成されたこの異色ユニットは、アニメのエンディングテーマ「とりかえっこプリーズ」を歌い上げ、子どもたちの心を一気に掴んだ。
この楽曲のCDや関連プロモーションを通じて世に送り出されたカードには、本人たちの実写や親しみやすいイラストが大胆にレイアウトされていた。任天堂株式会社と株式会社クリーチャーズが手掛けた当時のカードゲーム黎明期ならではの、枠に囚われないアヴァンギャルドな遊び心。それは現在のような競技性の高いTCGシーンではまず再現できない、古き良き時代の熱量をそのまま閉じ込めたタイムカプセルと言える。