ガソリン安は一見すると家計への恵みに思えるが、マクロ経済の視点からは必ずしも単純な好材料とは言えなかった。
エネルギー経済学の観点から分析すると、燃料コストの低下は運送業や製造業の採算向上に寄与したものの、日本全体を覆っていたデフレマインドを払拭するまでの起爆剤にはならなかった。エネルギー価格の低下に伴う物価下押し圧力が、日銀の目指すインフレ目標達成を阻む要因として作用したためである。
「安すぎるガソリン」は物流コストを引き下げた一方で、世界経済の成長減速という不都合な真実を映し出す鏡でもあったのだ。