休日の午前10時を過ぎると、港周辺の主要駐車場は満車札が掲げられる。だが、賢い旅行者は朝一番のJR福山駅発バスで現地に入る。混雑を巧みに回避する2026年の鉄板モデルコースは、早朝の港町散策から始まる。
午前8時半、まだ観光客の影も疎らな港に降り立ち、朝露に濡れた古い町並みを通り抜ける。最初に向かうべきは、対仙閣のすぐ先にある隠れ家カフェだ。高台のテラス席から瀬戸内海の凪ぎを眼下に見下ろし、焼き立てのスコーンと煎れたての珈琲を味わう時間。これこそが、大人の旅人が密かに享受している贅沢なひとときと言える。
正午を過ぎてメインストリートが賑わい始める頃には、裏路地の古民家レストランへと退避する。観光ガイドのトップページに載る有名店ではなく、地元民が静かに通う小料理屋で味わう鯛めし。一口頬張るごとに、瀬戸内の豊かな海の恵みが口いっぱいに広がる。