転職先の内定受託後、入社書類チェックリストに「雇用保険被保険者証のコピー」と書かれているのを見て、手元にないことから「内定取り消しや評価低下につながるのではないか」と深刻に悩む転職者は少なくありません。しかし、現場の実態を取材すると、全く異なる実務のリアルが浮かび上がります。
人事労務の実務経験者や社会保険労務士への取材によると、中途採用者のうち「被保険者証を紛失した」「番号がわからない」と申し出る割合は全体の15〜20%前後に達するといいます。企業側にとってこの事態は完全に日常茶飯事のルーチン業務であり、評価に悪影響を与えることはまずありません。
「前職の会社名(正式名称)」と「氏名(改姓歴がある場合は旧姓)」、「生年月日」の3点が正確であれば、転職先の人事担当者がハローワークのシステム上で照会をかけ、即座に過去の被保険者番号を紐付けることが可能です。厚生労働省の業務取扱要領でも、事業主による被保険者番号の照会検索フローが標準化されています。
むしろ人事担当者が最も懸念するのは、番号がわからない焦りから基礎年金番号や無関係な記号を適当に記入されたり、申告を放置されて入社後の雇用保険資格取得届の提出期限(翌月10日)を過ぎてしまうことです。わからない場合は、入社手続き書類の提出時に「被保険者証を紛失したため、前職情報からの照会・再発行をお願いしたい」と一言添えて正直に申告することが、最もスムーズかつ好印象な対応となります。