健康的なイメージが先行している食品の中には、実は腹持ちの観点から見ると極めて非効率なものが少なくありません。ネット上に溢れる「ヘルシー神話」の盲点を暴きます。
第一の罠は「春雨スープ単体ダイエット」です。春雨はヘルシーな海藻や野菜と混同されがちですが、原料の多くはジャガイモや緑豆由来のデンプン(炭水化物)です。タンパク質や脂質、食物繊維が極めて微量なため、胃内を1時間足らずで通過してしまいます。熱いスープで一時的に胃を膨らませても、短時間で強烈な空腹感に襲われるのはこのためです。
第二の罠は「グリーンスムージーや野菜ジュースへの過信」です。野菜や果物をミキサーで液体状に破砕すると、食物繊維の構造(フードマトリックス)が破壊され、糖分の吸収速度が固形物よりも格段に早くなります。「咀嚼(噛むこと)」という工程をスキップするため、脳の満腹中枢にあるヒスタミン神経系が刺激されず、満腹シグナルが正常に発信されません。
満腹感を真に持続させるためには、カロリー数値の低さだけに惑わされず、「噛みごたえ」「固形度」「消化吸収にかかる消化器の仕事量」を計算に入れた食品選びが欠かせません。