日本のエンターテインメント業界が求める「好感度の高いカップル」とは、常に清潔で、無害で、スポンサー受けの良い関係だ。しかし、このふたりは違った。週刊誌に撮られた写真の彼らは、すっぴんで、だらしなく歩き、時に煙草を吸い、ただそこに生きている人間そのものだった。
その生々しさこそが、当時の若者たちや映画ファンを惹きつけた。彼らは自分たちの関係を切り売りしなかったし、過度に美化もしなかった。ただ、惹かれ合い、そしていつの間にか離れていった。その潔さと私生活の泥臭さは、SNSで完璧にコントロールされた現代のタレントたちには到底真似できない、最後の「昭和的」なロマンティシズムすら漂わせていた。