花火大会の運営において、今や最も重い圧迫要因となっているのが警備費用の膨張だ。かつては花火の打ち上げ数や演出の豪華さが話題の中心だったが、現在の実行委員会が最優先で議論するのは「いかに雑踏事故を防ぐか」という一点に集約される。
数万〜数十万人規模の観客が狭いエリアに集中する花火大会では、警備員の確保が至上命令となる。しかし、近年の深刻な人手不足と人件費の高騰により、警備コストは数年前の1.5倍から2倍近くへと跳ね上がった。安全基準の厳格化に伴い、警察当局から求められる警備態勢のレベルも年々上昇しており、打ち上げ費用よりも警備費用の方が圧倒的に高くつくという逆転現象さえ起きている。予算の限界を迎えた地域主催者が、開催断念を選択せざるを得ない現実がここにある。