では、撤去された喫煙ルームの跡地は現在どのように活用されているのだろうか。その答えは、乗客の命を守る「防災拠点」への転身だ。最新型のN700S系新幹線電車をはじめとする各車両において、旧喫煙ルームの跡地には大量の「非常用備蓄水」が配備されることとなった。
丹羽俊介(JR東海代表取締役社長)も強調するように、大規模地震や集中豪雨などの自然災害による長時間停電や長時間停車が発生した際、乗客の生命線を維持することが最優先課題とされている。かつて煙草を吸うための場所であった狭小スペースに、保存水や非常食、簡易トイレなどの緊急支援物資が整然と格納されているのだ。一見するとデッドスペースになりがちな場所を、極めて実効性の高い防災インフラへとリニューアルさせた手法は、国内外から高い評価を得ている。