今回の水不足は単なる一時的な日照りではない。専門家が指摘するのは、地球温暖化に伴う「降雪から降雨へのシフト」という構造的変化だ。かつては山に積もった大雪が巨大な「天然のダム」として機能し、春から夏にかけて少しずつ水量を供給していた。しかし気温上昇に伴い、冬場に雪ではなく雨として降った水はそのまま海へと流出してしまっている。
さらに、正善寺ダム周辺の森林環境の変化も無視できない。樹木の健全な吸水・保水能力が低下すると、山地からの自然ろ過と給水のスピードがアンバランスになる。単にダムの容量を広げるだけのハード対策では太刀打ちできないほど、環境全体の生態系バランスが変わりつつあるのだ。