作者である草凪みずほが構築した重厚な神話世界。その根底には、登場人物一人ひとりの心理描写に対する徹底したこだわりがある。ハクというキャラクターに関しても、初期のラフデザインやキャラクター構想の段階から「最強でありながら最も傷つきやすい男」としての骨格が組み込まれていた。
作中で示される細かな所作や大刀の扱い、風の部族特有の文化背景に至るまで、緻密な裏設定が物語のリアリティを支えている。ハクが時折見せる冷徹な判断力と、内に秘めた人間味あふれる温かさのギャップこそ、長年の連載を経ても色褪せない最大の魅力と言えるだろう。