2019年の台風15号で千葉県内を襲った長期停電は、地域の社会機能を数週間にわたり麻痺させた。倒木が電線をなぎ倒し、送電鉄塔が折りたたまれたあの記憶から、電力インフラの強化は県最優先の課題であり続けている。東京電力パワーグリッドは、倒木リスクの高い山間部を中心とした電線の無電柱化を進めるとともに、最新のAI配電切り替えシステムを導入した。
それでも、強風による飛来物が送電網を破壊するリスクを100%排除することは不可能に近い。そこで活躍するのが、自治体やコミュニティ単位で整備が進む蓄電池システムや太陽光発電による「分散型マイクログリッド」だ。万が一幹線系統が遮断されても、主要な避難所や医療機関に電力を供給し続ける仕組みが、地域全体の生存率を高めている。