吉野家との決定的な決裂を経て、作品サイドが選んだ道はファンを大いに驚かせました。2008年、『キン肉マン』連載29(ニク)周年という記念すべきアニバーサリーイヤーを迎えた際、公式タイアップのパートナーとして名乗りを上げたのは、吉野家ではなくライバルチェーンであるゼンショーグループの「すき家」および「なか卯」だったのです。
実はアニメ初期の歴史を紐解くと、キン肉マンのアニメにおける牛丼スポンサーとして正式に名乗りを上げていたのは吉野家ではなく「なか卯」でした。アニメ劇中で牛丼だけでなく親子丼を食べる描写が差し込まれていたのは、なか卯がスポンサーを務めていた名残です。29周年の節目において、ゆでたまご先生側が吉野家を完全に外し、すき家・なか卯連合と大々的なコラボキャンペーンを展開した背景には、当時の吉野家に対する強い不信感と抗議のメッセージが込められていました。
すき家では限定どんぶりのプレゼントやコラボメニューが展開され、売上は大きく伸長。牛丼といえば吉野家という固定観念を覆すこの動きは、ファーストフード業界とマンガ界のパワーバランスを揺るがす象徴的な出来事として語り継がれることになりました。