インターネット上やSNSでは、「ニコチンゼロ、タールゼロのVAPE(ベイプ)なら妊婦が吸っても問題ない」といった誤った言説が散見されます。しかし、日本産科婦人科学会や日本呼吸器学会をはじめとする専門機関は、妊娠中の電子タバコ使用を明確に否定しています。
電子タバコは、香料や溶媒(プロピレングリコール、植物性グリセリンなど)を含んだリキッドを電熱線で加熱し、エアロゾル(蒸気)化して吸入する仕組みです。このリキッド自体が食品添加物グレードであったとしても、高熱で加熱・気化するプロセスでホルムアルデヒドやアセトアルデヒドといった有害なカルボニル化合物、アクロレインなどの有毒ガスが発生します。
さらに、加熱コイルの金属部分から微細なニッケル、クロム、鉛といった重金属粒子が蒸気に溶け出すことも確認されています。母体がこれらを吸い込むと、肺を通じて血流に乗り、胎盤のバリアを通過して胎児の体内へ直接届いてしまうのです。「ニコチンが含まれていない=無害」という図式は、医学的には完全な誤謬といえます。