民間気象事業者が独自アプリで個性を競い合う現在、気象庁の存在意義はどこにあるのだろうか。答えは「基盤データの一元供給」と「国家レベルの防災情報の担保」にある。どれほどスタイリッシュな民間アプリであっても、その根幹となる一次観測データや数値予報の基礎数値は、気象庁が全国に張り巡らせた観測網と国費で運用するインフラに依存している。
民間企業がピンポイントなレジャー情報やユーザー投稿を活用した細かな「体感予報」を得意とする一方で、気象庁は人命に関わる警報・注意報の精度向上と中長期的な気候変動予測に全力を注ぐ。両者は競合でありながら、日本の総合的な気象防災ネットワークを支える車の両輪として機能しているのが実情だ。