実際のところ、超人的な筋肉を身にまとった動物は自然界に実在する。そのカギを握るのが、筋肉の発達を制御するタンパク質「マイオスタチン」だ。
1997年、ジョンズ・ホプキンス大学の分子生物学者イ・セジン博士らの研究チームによって発見されたこの物質は、体内で筋肉が過剰に増殖するのを抑えるブレーキの役割を果たしている。しかし、遺伝子の突然変異によってマイオスタチンの働きが阻害されると、ブレーキが効かなくなった筋肉は凄まじい勢いで肥大化していく。いわゆる「ダブルマッスリング(二重筋肉)」と呼ばれる現象だ。
これまでウシやイヌ、さらには人間でも確認されているこの遺伝子変異だが、家猫において発生する確率は極めて稀である。しかし、遺伝学的にはネコ科であっても同様の突然変異が起こる可能性は十分に証明されている。