ブームの発端は、2017年秋頃にTwitter(現X)へ投稿された1本の短いスマートフォン動画でした。場所は沖縄県内の路上。若者同士のグループが何らかのトラブルで揉め、睨み合う一触即発の現場を当事者の一人が撮影していました。
撮影者が詰め寄るなか、カメラの前に現れた小柄な少年風の男性が発した言葉と立ち振る舞いが、瞬く間に全国のネットユーザーの目を奪います。相手の挑発に対し、胸を張りながら言い放ったのが次のフレーズでした。
「おい、21歳、拳で抵抗する。拳で」
言葉とともに右拳を突き出し、どこかぎこちなくも堂々とした構えを見せたその瞬間、ネット空間は熱狂に包まれました。紧迫したストリートの喧嘩というシチュエーションと、少年漫画のような真っ直ぐなポージング、そしてどう見ても成年に見えないあどけない容姿のギャップが完璧なコメディリリーフとして機能したのです。
この動画は即座にまとめサイトや「なんJ(なんでも実況J)」に転載され、「拳で抵抗する21歳」という通称で固定化。ユーザーたちの創作意欲を刺激し、数え切れないほどのMAD動画やアスキーアート、パロディイラストが生み出される一大ムーヴメントへと駆け上がっていきました。