北アイルランド代表を巡っては、国際的なレギュレーションや歴史的文脈に起因するいくつかの典型的な誤解が存在します。
第一の誤解は、「なぜオリンピック(五輪)には北アイルランド代表として出場しないのか」という点です。これは、国際オリンピック委員会(IOC)が「国家単位(英国=Team GB)」での加盟しか認めていないためです。FIFAは4協会の個別出場を特例として公認していますが、五輪では主権国家単位となるため、北アイルランド単独のチームは編成されません。
第二の盲点は、国歌と国旗の扱いです。北アイルランド代表の国際試合では、英国の国歌である『God Save the King』が演奏され、旗には歴史的な「アルスター・バナー」が用いられます。これもアイルランド共和国代表(独自の国歌と三色旗を使用)と混同されやすい重要な識別点です。
そして、この地が生んだ最大のフットボールアイコンといえば、マンチェスター・ユナイテッドで一時代を築き、1968年にバロンドールを獲得した伝説のドリブラー、ジョージ・ベストです。「ペレ以上」と称えられた不世出の天才は、生涯を通じて北アイルランド代表としてプレーし続けました。その後も名GKパット・ジェニングスやノーマン・ホワイトサイド、歴代最多キャップを誇るスティーヴン・デイヴィスなど、時代ごとに偉大な名手がその歴史を紡いできました。