感染症危機の教訓を受け、改定された新型インフルエンザ等対策政府行動計画では、有事における病床確保と初動対応の迅速化が極めて重く位置付けられた。これに伴い、全国の感染症指定医療機関を中心に、陰圧設備の抜本的なアップデートが進んでいる。
従来、陰圧病床の増設には莫大な建築コストと長期の工事期間を要していた。しかし、医療・ヘルスケア産業各社が開発を急いだ結果、既存の一般病室を短時間で陰圧化できる「ポータブル排気ユニット」や、プレハブ型のモジュール式陰圧室が急速に普及した。平常時は一般病棟として稼働させ、感染拡大の波が訪れた瞬間だけ陰圧モードへ切り替える可変型病室の導入も、都市部の大規模病院を中心に標準化しつつある。