十朱幸代の私生活を語るうえで、今なお芸能界で伝説として語り継がれるのが、歌手・西城秀樹との恋である。1990年、12歳という年齢差を超えて交際が報じられた当時、世間は驚きと同時に二人の純粋な惹かれ合いに息を呑んだ。
仕事仲間としての深い尊敬から始まったその関係は、互いの芸を磨き合う真摯な愛だった。しかし、トップスター同士ゆえの多忙さや周囲の環境、互いの家族への配慮など、さまざまな要因が複雑に絡み合い、結婚という結末には至らなかった。
破局から歳月が流れたのち、西城秀樹が旅立った際、十朱幸代は自らの自叙伝などを通じて、かつて分かち合った温かな時間への感謝を静かに明かしている。互いの尊厳を守り抜き、決して未練がましい言葉を残さなかった彼女の態度は、大人の恋愛における気品そのものであった。