本名名義である鈴木たからの活動初期を知る小劇場の関係者は、当時から漂っていた独特のストイシズムを昨日のことのように記憶している。
下積み時代、決して恵まれた制作環境ばかりではなかった。それでも、徹底した役作りと妥協のない人間観察を重ね、一歩ずつ地歩を固めてきた経緯がある。派手なスポットライトを急いで求めるのではなく、日本の俳優としての基礎体力を現場の泥臭い経験の中で鍛え上げてきたのだ。この愚直なまでの積み重ねこそが、突如として開花したように見える現在の躍進を支える確固たるバックボーンとなっている。