行田の名を一躍全国区に押し上げたのは、エンターテインメント作品との深い結びつきだ。池井戸潤原作のドラマ『陸王』で役所広司演じる足袋屋の職人魂が視聴者の胸を打った記憶は、今も街の随所に色濃く残る。さらに、映画『翔んで埼玉』でGACKTらが演じた強烈な世界観とコラボレーションした田んぼアートは、SNSを通じて爆発的な話題を巻き起こした。
カルチャーと地域がこれほど有機的に結びついた事例は稀だ。作品のファンが聖地巡礼として展望タワーを訪れ、ガラス越しに広がる巨大なオマージュを前に歓声をあげる。自虐と郷土愛をユーモアに変えて発信する行田の姿勢は、ポップカルチャーを愛する層の心を鷲掴みにし続けている。